フリーマーケット
番外編
このページは番外編として、数年前にあるフリーマーケットで買った文書群を紹介します。店主は女性で、まとまって文書があるときには私に電話をしてくれたやさしい方だったのですが、最近は「もう全く文書はでなくなった」とのことで、寂しい時代です。
右のような入れ物付きで、3000円くらいで買いました。なんだかんだ、ぶち込まれた感じでしたが、山口県内のもので、一カ所の家から出たもののようだったので、買うことにしました。
しかし、安い!
... 安いから買えたのですが。
なかなか良い感じです。地券、帳面関係、土地の売り買い、金の貸し借りなど、よくあるものですが。
農会の会長をされていたようで、その関係の公的な史料がかなりありました。県知事とのやりとりもあります。こういうのが歴史的には良い感じです。
明治39年の牛の血統書がありました。
韓国語の会話ハンドブックのようなものも。
明治37年発行のものでした。「勘定をしましょう」とか、「貸してください」という例文はともかく、「返すつもりです」とか、「風だ風だ」とか、意味深な例文もかなり含まれています。 発音がカタカナで書かれていますが、これを棒読みしてどれだけ通じるんでしょうか?
ちょっと脱線して、おかしな例文をいくつか探してみました。
「はずかしくございます」 ブックロプサヲイダ
「日本料理は味がよいそうだ」 イルボン、ウムジークン、マシ、チョッタポチ
「骨を犬にやったか」 ピョウルル、カメルル、チュウオツン
「流行の椅子はないか」 ヨームイ、ムルゴーニ、ナワッソ
「鼠(ねずみ)が水へ落ちた」 チューイカー、ムーレー、アーニハヨッタ
「そんな事をお言いくださるな」 クリ、マーシーヨ
「もう十分酔いました」 イームイ、タイダーニ、チュイホヨッソ
...使えそうで、使えないような例文。
石灰の買い入れ帳。これは分かるが....
ラムネの通い帳とは。酒の通い帳はよく見るのですが、ラムネもツケで買っていたとは。
明治から昭和初年あたりのものが大半でしたが、江戸時代のものもありました。
享和2年(1802)のものもありました。庄屋か、その下の畔頭(くろがしら)を勤めた家のようです。
なんと、壬申戸籍もあった。
最後に明治44年のカレンダーをどうぞ。正月の他、1月3日も祭日ですし、1月30日は孝明天皇祭だったんですね。孝明天皇は明治天皇のお父さんです。
じゃあ、寝っ転がって明治38年の園芸誌というか、農業誌でも読むか。