徳山藩藩士に関する活字本について



ここでは、徳山藩に関連する実名情報を得たい場合、比較的容易に利用できる活字化された本について、ご紹介します。

●徳山藩分限帳



 1.『徳山市史料 上』  徳山市史編纂委員会編纂 発行者:徳山市役所  昭和41年発行  53頁〜

   徳山家中の5つの時代の分限帳を分析したもので、詳細は下表の通りです。

作 成 年 文 書 名 所 蔵 場 所
寛永4 (1627)年頃  「御当家古分限帳」  徳山市立図書館  
宝永4 (1707) 年  「御家頼分限帳」  徳山毛利家文庫
文化9 (1812) 年  「御家頼分限帳」  徳山市立図書館
万延元 (1860) 年  「御家頼分限帳」  徳山毛利家文庫
明治2 (1869) 年12月  「御家頼分限帳」、「大令録」   徳山毛利家文庫


これらの分限帳にある氏名、禄高を元に、徳山藩士の家々が時代とともにどのように繋がっているかを明らかにした表が掲載されています。
ただし、これに載っていないから「元徳山藩士ではない」、とか、「士族ではない」、とはいえません。
この表には下級層が全く掲載されていません。これはおそらく表を作成する際に省略したのではなく、、「分限帳」に掲載されているものだけを集計したもので、すなわち、分限帳被掲載者が徳山藩士の全てではないということです。

私のこれまでの集計では、旧徳山藩出身の士族は1150名前後で、この内、分限帳に掲載されない人数は650人強です。

さらに、徳山藩の陪臣について、この件はこれまでほとんど(おそらく皆無)調査されていません。家老の奈古屋家や福間家には家来がいたことが分かる文書などは、簡単に見つかりますが、全容の把握についての研究はこれからです。