古里の歴史保存会の設立

       ----異形石造物の発掘と保存



  これが異形石造物だ

   山口県内に見られる何となく違和感のある石造遺物




平成10年に縁あって知り合った阿武さん。郷土の歴史に興味を持たれており、これまで山口県北部を中心に石造物に関するフィールド調査を精力的になさってこられました。平成16年の春に「是非見せたい!」と連れていかれたのは山口県北部のど田舎。まあ、山口県にはど田舎は多いですが。


「ここです、降りましょう」と阿武さんの車を降りて徒歩1分、やぶの中で見た墓?

こんな感じでした。



何じゃこりゃ〜。三角形の窓があやし〜い。



近づいて良く見ると...
石できた祠(ほこら)の中に素人が彫ったような人物像が入っている。その上、この像の胸の辺りには「心」と墨で書かれていた。


私:「これは何なんですか?」

阿武: 「かくれキリシタンの墓といわれていますが...」

私:「かくれキリシタン?」     ...これが?
こんな石像物もありました。個人の墓の前に何気なく置かれた石

私:「こっ、こっ、これはマリア様?!」



キリシタンと聞くと、そうにしか見えなくなる。

....これが私がキリシタンありきを否定して取り組む理由の一つです。



最後に連れていかれたお寺で、石造物ではなく木造でしたが、とどめという感じのそれはそれは不思議な木像がありました。翼があって、十字架を背負えるような(この表現が微妙)細工の...。

この後も行く先々で同じような石像を数多く発見したばかりでなく、見たことの無い不思議な遺物の前に連れて行かれ、この日の夕方にはどっと疲れが出てきました。頭はパニック状態。

これまで20年近く山口県内の郷土史関係の調査をしてきた私にとって、それもかなりの墓の調査をしてきたつもりだったのに、カルチャーショックに似た衝撃を受けたのでした。


阿武:「これまで調査してきた不思議な石造物を写真集にして出版しようと思うのですが」
私:  「あーそうですか」。
阿武:「あーそうですかって、先生が写真集にしたらといわれたじゃないですか! 
   そのときは原稿を書いて下さい。」
私: 
 「はあ」


という感じだったが...。



阿武さんは多くの写真の中から写真集に載せるものを選んで、説明文も書かれていました。それを引き継いで印刷会社にこもって説明文の手直し。次に前後の章をどうしようか? 阿武さんの希望により、出版予定日は決められていたましたが、直前まで何もしない私の悪い癖。2ケ月前くらいから本の構成をパソコン上でああでもない、こうでもない、と夜な夜な考えるも、進まず。そして1ケ月前。石造物の夢を見るようになるほどのめりこみ(追いこまれ?)、調査しては書き直し、これに伴って説明文も手直しし、という感じで、かなり印刷会社に通いました。そして、何とか出版までこぎ着けました。 「末尾にかえて」はうまくかけたかな。



本の紹介へ 
あとは写真集を見てください! 阿武さんの自費出版です。 是非買ってください!



本の出版をきっかけに「古里の歴史保存会」という会を設立しました。


  会員は本の出版に関わった5名。出版祝いに阿武さんを囲んで鍋を食べましたが、その後は....。